朝、鏡の前で「髪がまとまらない…」とため息をついたこと、ありませんか?
湿気のある日はうねったり広がったり、と頑張ってセットしても、外に出た瞬間に崩れてしまう…。
そんな髪の悩み、実は多くの人が抱えています。
40代・50代と年齢重ねて、「昔はストレートだったのに」「髪質が変わってきた」と感じることも⋯。 それは“クセ毛”が関係しているのかもしれません。
この記事では、クセ毛の種類や原因、年齢による変化まで、わかりやすくご紹介します。
自分の髪質をもっと知って、上手に付き合っていきましょう。
日本人の約7〜8割がクセ毛⁉
クセ毛とは、髪がまっすぐに生えず、うねったりねじれたりしている髪質のこと。
日本人の約70〜80%が何らかのクセ毛を持っていると言われています。
つまり、直毛(まっすぐな髪)の人は全体の20〜30%ほどで、実は少数派。
「クセ毛はめずらしい」と思っていた方も多いかもしれませんが、強弱の差はあれど実はとても身近な存在なのです。
日本人のクセ毛の自覚率
- 女性の62.1%が「自分はくせ毛」「どちらかといえばくせ毛」と思っていて、男性(44.3%)よりも高い傾向があります。
自覚があるという方の中でも、クセの度合いが強ければ強いほど、男女問わずに悩みは深くなります。
クセ毛のよくあるお悩み
クセ毛には、こんなお悩みがつきものです。
- 髪がうねって広がる、まとまらない
- スタイリングに時間がかかる
- 雨や湿気でセットが崩れやすい
- 希望の髪型ができない
- パサついて傷んで見える
- 髪が決まらず気分が落ち込む
- 年齢とともにクセが強くなった
ある調査では、クセ毛の人はスタイリングにかかる時間が、直毛の人よりも1日あたり7分長く(個人差あり)、年間では40時間以上の差が出るという結果も。

梅雨や雨の日はクセ毛の方にとってつらい季節になりますよね。
クセ毛と一言でいっても、タイプは様々です。軽いうねりから、根本から左右にうねるような強めなクセ毛など。
クセ毛にはどんな種類があるの?
クセ毛例

クセ毛には大きく4つの種類があり、それぞれの特徴が異なります。
波状毛(はじょうもう)

波状毛は、髪が波のようにうねるくせ毛で、日本人やアジア人に多く見られるタイプです。
主な特徴
- 波のようなうねり
髪がS字やウェーブ状にうねり、ウェーブが小さいほどくせが強く出やすい傾向にあります。 - 湿気に弱い
湿度が高いと髪が広がりやすく、まとまりにくくなります。 - 一見わかりにくい場合も
見た目は直毛でも、内側に波状毛が混じっていることがあります。 - スタイリングで活かせる
「天然パーマ」とも呼ばれ、セット次第で自然な動きを活かしやすい髪質です。
波状毛はくせの出方や強さに個人差があり、人によって印象が大きく異なります。
捻転毛(ねんてんもう)

主な特徴
- らせん状にねじれている
髪がコイルや縄のようにくるくるとねじれています。 - 触るとザラザラ・チリチリ
ねじれた部分に凹凸があり、指で触るとザラつきを感じます。 - 髪がパサつきやすい
光が乱反射しやすく、乾燥して見えがち。広がりやすく、まとまりにくいのも特徴です。 - 切れ毛・ダメージが多い
ねじれた部分が細く弱いため、ブラッシングなどで切れやすく、ダメージも受けやすくなります。 - 太さにムラがある
1本の髪でも太さがバラバラで、キューティクルが不安定になりやすいです。 - スタイリングしづらい
ねじれが強く、薬剤が均一に浸透しにくいため、カラーやパーマがムラになりやすいです。
捻転毛は日本人にはやや珍しいタイプのくせ毛で、細く柔らかい髪に多く見られます。
先天的な場合もありますが、ダメージや毛穴の変化によって後天的に出てくることもあります。
連珠毛(れんじゅもう)

連珠毛は、髪が太い部分と細い部分を交互に繰り返し、数珠のような形になる珍しいくせ毛です。
主な特徴
- 数珠のような見た目
太い部分と細い部分が交互に連なり、ボコボコしています。 - 切れやすい
細い部分が非常に弱く、ブラッシングや手ぐしで切れやすくなります。 - 傷みやすく伸ばしにくい
切れ毛・抜け毛が多く、長く伸ばすのが難しい。 - ツヤが出にくい
パサつきやすく、手触りもザラつきがちです。 - スタイリングが難しい
まとまりにくく、セットがしにくい。
日本人にはまれなタイプですが、遺伝やホルモン変化、ダメージが原因で後天的に現れることもあります。
指で髪をすっと通してボコボコとした感触があれば、連珠毛の可能性があります。
縮毛(しゅくもう)

縮毛は、髪が細かく強く縮れているタイプのくせ毛です。
主な特徴
- 強く縮れた髪
細かく縮れていて、アフロのように見えることもあります。 - 広がりやすい
ボリュームが出やすく、まとまりにくい傾向があります。 - パサつき・ダメージが目立つ
キューティクルが開きやすく、乾燥や摩擦に弱いため、毛先が傷みやすいです。 - 湿度に敏感
湿気でくせが強くなり、髪がさらに膨らみやすくなります。 - スタイリングが難しい
くせが強いため、整えるのに手間がかかります。
日本人には比較的少ないタイプですが、波状毛や捻転毛と混ざっていることもあります。
縮毛の扱いには、保湿ややさしいケアがポイントです。
クセの種類の推定割合
クセ毛の種類 | クセ毛の中での推定割合 |
---|---|
波状毛 | 約60~70% |
捻転毛 | 約20~30% |
縮毛 | 約5~10% |
連珠毛 | 1%未満 |
多くの人は、これらのタイプが混ざった「混合型」です。
例えば、頭頂部は波状毛で、後頭部は捻転毛や縮毛といったケース。
頭部の箇所によってクセの強弱が別れたりもします。
なぜクセ毛になるの? その主な原因
クセ毛の原因は大きく「先天的(生まれつき)」と「後天的(生活環境や加齢)」に分けられます。
先天的な原因
- 遺伝(親がクセ毛だと子どももなりやすい)
- 毛穴や毛根の形(丸ではなく、楕円形やゆがみがあるとクセが出る)
- 髪の内部のタンパク質や水分のバランスの偏り
- 思春期やホルモン変化による髪質の変化
後天的な原因
- パーマやカラー、紫外線などのダメージ
- 加齢による毛穴の変化
- 出産や更年期などホルモンバランスの乱れ
- 栄養・睡眠不足、ストレスなど生活習慣の乱れ
毛根の断面図

毛根が曲がっていればいるほど、クセが強くなる傾向があります。
髪の内部構造とクセ毛の関係
髪の毛は以下の3つの層で構成されています。
- キューティクル
一番外側。髪を守るうろこのような部分 - コルテックス
髪の大部分を占める中心部。クセ毛と最も関係が深い - メデュラ
芯の部分。細い髪やクセ毛には存在しないことも
特にクセ毛は、コルテックスの中の「オルトコルテックス」と「パラコルテックス」という細胞の偏りで起こることが多いです。


髪の断面も、直毛は円形、クセ毛は楕円形や三角形など、不規則な形になっています。
思春期や年齢とともにクセ毛になるのはなぜ?
クセ毛は生まれつきだけでなく、思春期や年齢を重ねることで変化することもあるんです。
ここでは、ライフステージごとの髪質の変化について、ご紹介します。
思春期にクセ毛になる主な原因
「子どもの頃はまっすぐな髪だったのに、気づいたらクセ毛になっていた…」
そんな経験をした方、意外と多いのではないでしょうか?
ホルモンバランスの変化
思春期になると、成長ホルモンや性ホルモン(エストロゲン・テストステロンなど)が活発になり、体だけでなく髪や頭皮にも影響を及ぼします。
ホルモンの変化によって、皮脂の分泌量や毛穴の形が変わり、クセ毛になることがあります。
毛穴・毛根の形の変化
毛穴が丸いと直毛、楕円形やゆがみがあるとクセ毛が生えやすくなります。
思春期の体の成長に伴い、毛穴の形が変わることで、髪質も変わってくることがあります。
髪の構造の変化(軟毛から硬毛へ)
子どもの髪はやわらかく細いため、クセがあっても目立ちにくいのですが、思春期になるとしっかりした大人の髪に変わることで、もともとあったクセが表に出てきやすくなります。
遺伝の影響
家族にクセ毛の方がいる場合、遺伝によるクセ毛が思春期をきっかけに現れることもあります。
💡まとめると
思春期にクセ毛になるのは、ホルモンの変化、毛穴の形、髪の成長、そして遺伝などが複雑に関係しています。
この時期は、髪質が大きく変化しやすいタイミングです。
更年期を迎えるとクセ毛になる主な原因
「最近、髪にうねりが出てきた」「昔より扱いにくくなった」
そう感じたら、それは更年期の影響かもしれません。

ホルモンバランスの変化(エストロゲンの減少)
更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少します。
このホルモンは髪のハリやコシを保つ役割があり、減ることで髪が細くなったり、うねりやすくなることがあります。
また、頭皮の血流が低下し、髪に栄養が届きにくくなることもクセ毛の一因に。
髪の密度・質の変化
年齢とともに髪が細くなったり、本数が減ったりします。
髪のボリュームが減ると、元々のクセが目立ちやすくなることがあります。
頭皮や毛穴の老化
年齢を重ねると、頭皮も年齢を重ねます。
毛穴の形が歪んだり硬くなったりすることで、髪がまっすぐ生えにくくなり、うねりやクセが出やすくなります。
髪の内部構造の変化(タンパク質バランスの乱れ)
髪の中にあるタンパク質(コルテックス)が不均一になると、水分の吸い方にもムラが出て、うねりや広がりにつながることがあります。
💡まとめると
更年期以降にクセ毛が強くなるのは、ホルモンの変化、髪の老化、頭皮環境の変化などが重なって起きる現象です。
直毛だった方でも、年齢とともにクセ毛になることは十分あり得ます。
年齢によるクセ毛、どうすればいい?
思春期でも更年期でも、ホルモンの影響や体の変化によって、髪はデリケートに変わっていきます。
ただし、乾燥を防ぐケアや、頭皮環境を整える習慣を意識すれば、クセ毛の扱いやすさは大きく変わります。
「年齢のせいだから仕方ない」とあきらめずに、自分の髪の状態に合ったケアを取り入れてみましょう。
クセ毛と上手につきあうために
クセ毛は悪いことばかりではありません。
- ボリュームが出やすい
- 動きのあるヘアスタイルが作りやすい
- パーマをかけなくても自然なウェーブが出る
といったメリットもあります。
まずは自分のクセ毛タイプを知って、原因を理解し、ケアやスタイリングを見直してみましょう。
クセ毛とうまく付き合えば、あなたらしい魅力がきっと引き立ちますよ。
最後に
クセ毛に悩んでいる方の中には、「毎朝のスタイリングがうまくいかない」「他人の髪がうらやましくなる」そんなふうに感じている方も多いと思います。
私自身もそうなのですが、鏡を見るたびにため息が出る日もあります。
でも、最近になって少しずつですが、考え方を変えていこうと思っています。
クセ毛は「手のかかる髪」ではあるけれど、そのぶん丁寧に向き合えば、あなただけの魅力に変えていける髪とも言えます。
うねりや広がりに悩む日もあれば、ふとした瞬間に「今日はちょっといい感じかも」と思える日もありますよね。
そういう日が少しずつ増えていくと、気持ちも明るくなるし、自分の髪に優しくなれます。
「完璧なストレートヘアを目指すこと」ではなく、自分の髪質を知って、自分に合ったヘアケア方法やスタイルを見つけていくことで、自分のクセ毛とうまく付き合う、近道なのかもしれません。
この内容が同じように悩んでいる方のお役に立てたら、うれしいです。
最後までご覧下さり、ありがとうございます。
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